この記事では、ConoHa WINGでSSHアカウントを作成し、WindowsにFileZillaをインストールしてSFTP接続する方法を説明していきます。
読み飛ばしOK、やや長めの前置き
【いずれその時はやって来る!】
ブログって、いざ始めてみると、記事を書くこと以外にも、デザイン方面やら、アップデート方面やら、セキュリティ方面やら、「モバイルユーザビリティの問題が新たに検出されました」やら、「SSLサーバ証明書更新のご案内」やら、やるべきこと、対処すべきことがたくさんあるんですね(汗)。そこで私のような、どの方面にも明るくない人間は、何かわからないことがあると、あっちのサイト、こっちのブログと、調べまわることになるわけです。そのようにして先人の皆様の経験や知恵に助けていただき、本当に遅々とした歩みではありますが、なんとかブログを継続(そして発展!)させるべく、努めているところでございます。
そんなふうにネット上のあちこちの記事を見てまわっていたなかで、わりと早い段階で目にしていたのが、FTPあるいはSFTPといった用語でした(少しややこしいのですが、以降、個別の通信規格としての「FTP」だけでなく、ファイル転送プロトコルFile Transfer Protocol全般について言う場合も「FTP」と記述しています)。ちらっと説明も読んだりはしましたが、「ブログに関係ある通信方式みたいだけど、これに関わることがあるとしても当分先だろうなー」と思っただけでした。
それから幾星霜(実際は数か月)、まさかそのFTPについて記事を書く日が来るとは思っていませんでした。その後、私が研究を重ねてFTPに詳しくなったとか、残念ながらそういうことではまったくありません。理屈がわかろうがわかるまいが、ブロガーにはFTPと向き合わなければならない時が訪れるのです!
【FTP (File Transfer Protocol)とは】
FTP(File Transfer Protocol)とは、手元のパソコンとサーバーの間でファイルの転送を行なうときに使われる通信規格のことです。
FTPソフトを使って、サーバーとパソコンの間でファイルをやりとりすることで、ブログのデザインをカスタマイズしたり、WordPressのファイルをバックアップしたりといったことができるようになります。
ただFTPは、1970年代に開発された古い通信規格であり、パスワードや通信内容が暗号化されないため、セキュリティ面で問題ありのようです。
【セキュリティが向上したSFTPがおすすめ】
そこでセキュリティを向上させたFTPSやSFTPといった通信規格が登場してきました。それぞれの詳細について説明するのは、私には荷が重いので省かせていただきますが、いろいろな記事を覗いてみてわかったのは、どうやらFTPSはファイアウォールに引っかかりがちという面倒なところがあり、FTPに代わる一番手として推奨されているのは、高いセキュリティと安定性を誇るSFTPだということです。
安全な方式とそうでない方式、どちらを選びますかと言われたら、そりゃ安全なほうを選びますよね。ということで、この記事では、SFTP(SSH File Transfer Protocol)でサーバーとパソコンをつなぐ方法について解説していきたいと思います。
【FTPソフトはFileZillaで決まり】
SFTPでサーバーとパソコンをつなぐには、FTPソフトを使います。「SFTPでつなぐのにFTPソフト?」と思われるかもしれませんが、ファイル転送プロトコル全般を「FTP」と言うように、この用途に使うソフトをまとめてFTPソフト(FTPクライアントソフト)と言うようです。
このFTPソフトとして圧倒的に推奨されているのがFileZillaというソフトです。シンプルな操作性で、完全無料。さまざまなOSで使えて、FTP、FTPS、SFTPなどの各プロトコルに対応。世界中に利用者がいてサポート情報も得やすい最強ソフト、らしいです。すぐにあれこれ迷いがちな私もさすがにFileZillaに即決しました。サーバーは私が借りているConoHa WING、OSはWindowsを例として説明させていただきます。
【接続方法が理解できずに頭はぐるぐる…】
実際、「ConoHa WINGにFileZillaでSFTP接続する方法」を調べはじめると、すんなりと理解できる記事にはなかなか行き当たりませんでした。記事のタイトルはこちらの知りたいことにほぼ合致しているようでも、途中で説明が専門的になってついていけなかったり、すでにFTPで接続していてSFTPに乗り換える方法だったり。FTP接続のついでのようにSFTP接続について説明していたり、SFTPにはまったく触れていなかったり。ConoHaのサポートページにFileZillaでSFTP接続する方法を見つけたと思ったら、ConoHa WINGではなくConoHa VPS(仮想専用サーバーを使うサービス)での説明だったり。そこに私の知識不足からくる理解力不足が重なって(←いちばんの原因はこれです)、頭の中はぐるぐる状態。
え?え?え? どういうこと?どういうこと? 私の頭に渦巻いた疑問を整理するとだいたい以下のとおり。
- SFTP接続ができるのはConoHa VPSだけで、ConoHa WINGはできないのか?
(ConoHa VPSにSFTP接続する方法を解説した記事がやたらとヒットしたため。) - SFTP接続するためには、まずFTPアカウントを作成する必要があるのか? 最初からSSHアカウントを作成してはいけないのか?
(ConoHa WINGでSFTP接続する方法をシンプルに説明した記事を見つけられなかったのと、ConoHa WINGのサポートページでもFTPアカウントの作成方法が説明されていたため。) - 通信規格としてのFTPが安全でないなら、なぜFTP接続を解説した最近の記事がこんなにあるのか?
(おすすめできない方法なら、接続方法を説明しないほうがいいのでは?)
このような事態に至ったのは、私の知識不足→理解力不足ゆえなのですが、「FTP便利だよ~、FTPSもSFTPもあるよ~」と言われて、「いやいや、なにもわからんこっちに判断を委ねられても…(困惑)。何がベストなのか、どうすればいいのか、おすすめの方法を教えてもらえませんか~(泣)」という気持ちになったのも事実。
結果、なんとかSFTPでサーバーとパソコンをつなぐことができましたが、私と同じようなところで「?」が頭に浮かんだ人もいますよね? ね?ね?
【疑問点をなんとか整理して、いざ接続】
上記の、かつての私の疑問点を、現在の私が整理すると、以下のようになるかと。
- SFTP接続ができるのはConoHa VPSだけで、ConoHa WINGはできないのか?
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ConoHa WINGでSFTP接続は可能。ConoHa WINGのサポートページにも、その方法は書かれていた(「SSHアカウントを作成する」)。ただ、そこにあった説明文〈接続情報等詳細が確認できますので、SSHクライアントソフトで接続します。〉の〈SSHクライアントソフト〉を〈FileZilla〉と読み替えることができず、理解できなかった。 - SFTP接続するためには、まずFTPアカウントを作成する必要があるのか? 最初からSSHアカウントを作成してはいけないのか?
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FTPアカウントは作成する必要なし。SFTPで接続するなら、SSHアカウントのみ作成すればよい。 - 通信規格としてのFTPが安全でないなら、なぜFTP接続を解説した最近の記事がこんなにあるのか?
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今はFTPが消えていく過渡期ということなのかも。ちなみに、2021年1月にリリースされたGoogle Chromeのバージョン88ではFTPのサポートが終了しています。
実は、矢印や丸数字を入れた画像を使って、ソフトのインストールや設定などを説明する類いの記事を書くのはこれが初めてです。それが「当分、自分には関係ない」と思っていたFTP接続(実際にはSFTP接続)の記事になろうとは、ブロガー人生(まだよちよち歩き)は予想のつかないことばかりです。「そんなやつに教えてもらいたくない」という方もいらっしゃるでしょうが、同じ初心者マークのブロガーさんが迷ったり、つまずいたりしやすいポイントを押さえて説明できることもあるかと思います。
それでは、ようやくですが(乾杯の挨拶ならとっくにシャンパンの気が抜けている)、WindowsにFileZillaをインストールしてConoHa WINGにSFTPで接続する方法を説明させていただきます。
ConoHa WINGにSSHアカウントを作成する
パソコンとサーバーをSFTPでつなぐには、まずはサーバーであるConoHa WINGにSSHアカウントを作成する必要があります。手順は以下のとおりです。
point
ConoHa WINGではFTPアカウントも作成することができますが、そちらのほうにはかまわなくて大丈夫です。SFTPで接続するならSHHアカウントのみ作成すればOKです。
☝ConoHaのコントロールパネルにログインしたら、①WING→②サーバー管理→③SSH→④+SSH Keyの順番にクリックします。
☝①自動生成を選択→②ネームタグに任意の名前を入力→③保存をクリック。
☝ダウンロードをクリック。
☝ネームタグをクリック。
☝作成されたSSHアカウントが確認できます。この画面の情報は、あとでFileZillaを設定するときに使います。
FileZillaをインストールする
次にFTPソフト「FileZilla」をパソコンにインストールします。
FileZillaのダウンロード
まずは公式サイトからFileZillaをダウンロードします。
☝Windowsには32bit版と64bit版があります。ご自身のパソコンに合ったバージョンをダウンロードしましょう。
32bit版か64bit版か確認する方法
- パソコン画面左下のスタートボタン(ウィンドウズアイコン)を右クリック。
- 「システム」をクリック。
- 「詳細情報」をクリックし、「デバイスの仕様」で「システムの種類」を確認。
※以降、Windows64bit版で説明していきます。
FileZillaのインストール
ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると、インストーラーが立ち上がります。
☝利用規約が表示されます。「I Agree」をクリックします。
☝個人所有のコンピュータなら「Anyone」でいいかと。「Next」をクリックします。
☝そのままでOK。「Next」をクリック。
☝どこにインストールするかの選択画面。とくになければそのままでOK。「Next」をクリック。
☝スタートメニューに表示されるフォルダ名が変更できます。とくになければそのままでOK。「Install」をクリックします。
☝インストール完了です。「Start FileZilla Now」にチェックが入った状態で「Finish」をクリック。
☝Filezillaが起動すると、こんな画面が現われます。左がパソコン側(ローカルサイト)、右がサーバー側(リモートサイト)の表示画面です。まだサーバーとはつながっていないので、サーバー側には何も表示されていません。
FileZillaの設定
それでは、Filezillaでパソコンとサーバーをつなぐ設定を行なっていきましょう。
☝左上のアイコンをクリックしてサイトマネジャーを開きます(メニューバーの「ファイル」→「サイトマネジャー」でも開けます)。
☝①「新しいサイト」をクリックし、②「新規サイト」のところにサイト名やドメインなど、わかりやすい名前を入力。③「一般」タブを選択して接続設定を行なっていきます。
☝先ほどサーバーで作成したSSHアカウントの情報をもとに入力をしていきます。
①「プロトコル」は「SFTP」を選択。
② SSHアカウントの「ホスト名」を入力。
③ SSHアカウントの「ポート番号」を入力。
④「ログオン タイプ」は、「鍵ファイル」を選択。
⑤ SSHアカウントの「ユーザー名」を入力。
⑥「参照」から先ほどダウンロードした鍵ファイルを選択。(※鍵ファイルが見つからない場合は下記参照)
☟サーバーのSSHアカウントの画面はこうなっていました。この接続情報をFileZillaの設定画面に入力します。
【鍵ファイルが見つからない場合】
上記、接続設定⑥の手順では少し注意が必要です。通常、ダウンロードしたファイルはPCのダウンロードフォルダに保存されますので、ここでもダウンロードフォルダを開くことになるかと思います。
その際、もし鍵ファイルが見つからなかったら、ファイルの種類を選択するコンボボックスを確認しましょう。ここが「PPK files」になっていたら、「PEM files」に変更します。
Point
ダウンロードフォルダで鍵ファイルが見つからない場合は、コンボボックスで「PEM filles」を選択する。
☝鍵ファイルを設定する手順です。
①コンボボックスから「PEM files」を選択します。
②表示された鍵ファイルを選択します。
③開くをクリック。
☝これでFileZillaの設定が完了しました。「接続」をクリックします。
Point
接続が完了する前に、「不明な証明書」というウィンドウが表示されたら、「今後もこの証明書を常に信用する」にチェックを入れ、OKをクリックしましょう。
接続が完了すると以下のような画面になります。
☝サーバー側(リモートサイト)にファイルが表示されました。接続完了です!
ファイルのダウンロードとアップロード
ファイルのダウンロード、アップロードはとても簡単です。
☝ダウンロードは、右のサーバー側から左のパソコン側に、 フォルダやファイルをドラッグ&ドロップするだけです。アップロードは逆に、左のパソコン側から右のサーバー側に、フォルダやファイルをドラッグ&ドロップします。
接続と切断
☝接続するには✓のついたサーバーのアイコンをクリックします。切断は×のついたサーバーのアイコンです。
まとめ
以上、FileZillaでConoHa WINGにSFTP接続する方法を解説しました。
今回、FileZillaでパソコンとサーバーをつないだのは、CSSファイルをサーバーにアップロードして、ブログのデザインをカスタマイズしてみようと思ったからでした。
ですが、この用途ではまだ、使用できていません(情けなや)。私にはまだちょっと難しくて、デザインの処理は結局、テーマ先生にお世話になりました(ありがたや)。
CSSを自在に操る華麗なブロガーには当分なれそうもありませんが、FileZillaは先日、テーマをアップデートするとき、バックアップを取るのにさっそく役に立ちました!(ちょっと負け惜しみ)