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宮本浩次のアルバム『ROMANCE』にも収録されている名曲「木綿のハンカチーフ」の歌詞を勘違いしていた件

草原で夕陽を見る女性

2019年からソロ活動も行なっているエレファントカシマシの宮本浩次さんが、自身が好きな「女唄」ばかりを歌った『ROMANCE』というカバーアルバムが2020年11月に発表され、大きな話題を集めました。

収録曲は「あなた」「異邦人」「ロマンス」「木綿のハンカチーフ」「ジョニィへの伝言」など、耳に馴染んだ曲ばかりですが、宮本さんのロックな歌唱であらためて聴くと、それぞれの曲に新しい命が吹き込まれたかのような、新鮮な驚きとともに耳に飛び込んでくるのです。

そのアルバムの収録曲を歌っておられるお姿を、テレビでもよく拝見したわけですが、とある番組で宮本さんが「木綿のハンカチーフ」(作詞:松本隆/作曲:筒美京平)を歌っておられるとき、画面に流れる歌詞のテロップを何気なく目で追っていて、「んんん???」と思わず二度見してしまったのでした。

そこにはこうありました。〈いいえ 星のダイヤも 海に眠る真珠も〉。

え? えええええっっ!!!! 初めてこの曲を聴いて以来、幾星霜。私はこの部分はずっと〈いいえ 欲しいの ダイヤも 海に眠る真珠も〉だと思い込んでいたのです。

「へぇ~、ダイヤも真珠も欲しいって素直に認めるんだ」くらいは感じていた。でもそれも、「自分は地元に残って彼氏を都会に送り出す素朴な女性(←決めつけ)だから、正直なんだね」みたいな受け止め方をしていたのです。

ダイヤも真珠ももちろん欲しい、でも、それよりもあなたのキスがもっと欲しい、という、いったんダイヤや真珠の価値も認めておいて、それよりもあなたのキスはもっと価値があるとアピールする、遠距離彼氏をなんとかつなぎとめておこうとする女子が必死に繰り出した、高等テクだと解釈していたのです。ずっと。

いや、正しい歌詞をちゃんと見れば、〈いいえ 星のダイヤも 海に眠る真珠も きっと あなたのキスほど きらめくはずないもの〉という、きらめき比較級の素晴らしい歌詞であり、松本隆先生による卓越したお仕事であることは、(いまさらではありますが)よーく、よーく、よ~~~くわかりました。了解です!! 大納得です!!

たしかに、たしかに、そうではあるんですが……、わかりはしたのですが……、いいえ欲しいの、と一度乗っかっておいてからの~、あなたのキスがもっと欲しいっっ、という展開もなかなか捨て難いと思うんです。

なにより、原曲を歌った太田裕美さんが、「いいえ 欲しいの」と、いったん、ダイヤや真珠を欲しがってみせる感じが(いや、結局は勘違いだったわけですが…)、コケティッシュというんでしょうか、ちょっと舌っ足らずな歌い方とあいまって、そりゃあもう可愛かったこと!

太田裕美さんの可愛さに免じて、ここはひとつ、〈いいえ 欲しいの〉もOKということになりませんかね? ……ならないか。

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