あれはまだ夏前だったか、TOKYO MXというローカル局が放送している『5時に夢中!』という番組に歌手の加藤登紀子さんがゲスト出演されていたときのこと(2021年7月2日の放送だったようです)。
どれ、コーヒーでも飲むかととりあえずテレビを点け、この時間帯ほかに見るものもないしと『5時に夢中!』にチャンネルを合わせ、ゲストは加藤登紀子か、ふ~んとまったく熱のない視聴者と化していた私。それが番組が進むにつれて、少しずつ身を乗り出していくことに。
ローカル放送ということもあるだろうし、番組独特の空気感もあるのだろう、この番組のゲストはキー局に出演しているときよりも、どこか油断しているというか、鎧を一枚脱いだような雰囲気で登場される方が多いような気がします。
加藤登紀子さんも、リラックスムードで雑談でもするようにコメントを重ねていかれるのだが、その口からさらっと漏れてくる発言には、聞き流せるようなところがほとんどなく、言葉のひとつひとつに経験が張り付いているというか、実が詰まりまくっているのでした。
そして、「愛を確かめ合うために、お互いに手錠をかけて生活していた海外のカップルが、話し合いの末に別れた」というニュースが紹介された際、コメントを求められた加藤登紀子さんが発したのがこの記事の見出しにある「男と女は話し合ってはいけない」(筆者の記憶による発言の要約です)なのです。
は? ええっ!? すげぇ~~~。予想もしなかったコメントに一瞬あ然となり、言葉の意味を脳があらためて咀嚼してびっくりし、こんなことを当たり前のようにするっと言えてしまう加藤登紀子さんに感服した、という流れでございます。「私の場合も、話し合ったら、結局別れることになった」(要約)とも仰っていました。
話し合いは人間関係の基本。男女関係でもそれは同じ。何か問題が起こったら、“よく話し合って”というのは、揺らぐことのないテッパン中のテッパン。疑問を差し挟む余地のない、問題解決の最強ルールだと信じてきたのに、それなのに。
「男と女は話し合ってはいけない」(要約)。この破壊力。しかもなんでもなさそーに。
いや、待てよ。世の中でよく聞く男女の話し合いって、たとえば「離婚の話し合い」とかはよく聞くけど、「結婚の話し合い」ってあまり聞かないような…。結婚に話し合いが必要って、なにか懸案事項があるというか、もめてる雰囲気出てないですか? 結婚自体は実際のところ、勢いのほうが大事で、話し合いで決めるようなものでもないような気がするし、結婚が決まってからは、結婚式の打ち合わせとか、いろいろ相談すべきことはあるだろうけど、それって“話し合い”とは違うような…。
たしかに、私のごくごく乏しい経験からいっても…いや、これはやめておきます…。
そもそも男女が話し合わなくちゃいけなくなった時点で、ふたりの関係性はかなりこじれているということもあるんですかねぇ…。がつんと話し合うことになる前に、相手の反応を見ながら、日頃からこまかなすり合わせというか、微調整を繰り返しておくべきということなんでしょうか(←個人の解釈です)。
いずれにしても、加藤登紀子さんのこの発言のインパクトが強すぎて、いまだに忘れていないので、こうして記事にしてみました。酸いも甘いも嚙み分けた大先輩の仰ることでもあり、日を追うごとに、有無を言わさぬ説得力さえ感じられてくるこのお言葉。私自身も“話し合い”なんていう事態にならぬよう、日々精進してまいりたいと思います。
これで『5時に夢中!』という番組から、短期間で二つの名言を記事にしてしまいました(元日本代表中澤佑二さんゲスト回の名言はこちら)。ゆるゆるの情報バラエティで、ためになる番組作りをしようというスタンスはあまり感じられません(←個人の意見です)が、だからこそとてもくつろいで見ることができる楽しい番組です。これまで、この番組から、役立つ情報や、なにか教訓を得たことは、正直なかったと思います。今回、番組のおかげで2本も記事を書くことができました。まことにありがとうございます。本当はこれまでも、この番組でしか聞けない驚きの本音や、胸に刺さるどころか貫通するほどの名言が連発していたのかもしれませんが、あまり覚えていません。急にこの番組から名言が聞こえてくるようになったのは、どうしたことでしょう。もしかして私が弱っているだけなのでしょうか。
サッカー元日本代表中澤佑二さんの
『5時に夢中!』での名言はこちら
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「成功は約束されてはいないが、成長は約束されている」~サッカー元日本代表中澤佑二さんが紹介していた、前に進む勇気をもらえる名言
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